第4話 人類2

【SFファンタジー】瞬間移動できるマシーンで無双状態

メタは、全て収納し終えると

「これは、全て焼却する」

そう言って部屋から立ち去ろうとする。

その時、メタは倉庫の外で立っていた、シヴィの存在に気がついた。

2人はすれ違いざまに、目があったが

特に話をすることもなく、メタは去っていった。

「…」

シヴィは立ち去っていくメタの背中を見つめた後、呆然とするケインに歩み寄った。

「ケイン、こんな所で何をしている?」

シヴィがケインに声をかけると。

ケインはハッと我に帰り。

「シヴィか?起きていたのか?」

「船長の怒鳴り声で、目が覚めた」

「なあ、お前は、どう思っている?」

「何を?」

「宇宙艦艇は、僕達を助けにきてくれるはず。だよな?」

「宇宙艦隊か。第1艦隊から始まって19艦隊まで存在するって聞いたことがある」

「そうだよ、そのうちのどこかの艦隊が助けにきてくれる。そうだよな?シヴィ」

「…」

「シヴィ?」

「もし、宇宙艦隊が存在するなら、今の時点で、彼らが無事でいるとはとても思えない」

「何だと!?お前まで。宇宙艦隊が、ハデスより弱いって言いたいのか?」

「とても、敵わないと思う」

「!!」

一瞬、シヴィの返答に、激高したケイン!

しかし、すぐにため息に変わった。

「…」

「ケイン。お前も、見ただろ、4年前。俺たちの故郷を破壊するキメラの戦闘能力を。当時、惑星ビエラは、かなり高度な防衛能力を持っていた」

「…」

「それにも関わらず、敵はたった1機だよ。その1機のキメラに対して、俺たちの機関銃や手榴弾の攻撃が、まったく通じなかった。壊滅する以前のビエラの都市戦闘戦力は戦艦4隻に匹敵するほどだったらしい」

ケインはシヴィの頭の良さをよく知っていた。言っていることはもちろんだが、言葉の裏に、幾度となく検証してきたかのような重みを感じざるを得なかった。

シヴィの言ったこと…

ほぼ事実なんだと、ケインはそう受け止めざるを得なかった。

「くそ!」

ケインは、吐き捨てるように言って、泣きそうなった。

「俺も、このまま、いつまでも宇宙の中をさまよっているのは危険だと思う。しかし、むやみに動く方がもっと危険だ」

「僕は死ぬ前に真実を知りたい」

「真実?」

シヴィはケインに問い返す

「ああ。知りたいんだ。なんで僕たち、あんな殺人マシーンに家族や仲間を殺され、こんな宇宙の果てまで追われているのかを。ネットにアクセスすれば、全てわかるはず」

「…」

「本来人間は地球という水と空気が当たり前のように存在していたところで暮らしていた。人類は圧倒的な地球の支配者だったと記録されている。あの最強のAI集団、ハデスでさえも、支配してきたのに。それがどうして、こんなことになったのか?真実が知りたい」

「もちろん。俺だって知りたい。ワールドネットに繋いで真相を知りたいさ」

「だろ!?」

「ただ。ネットに接続すれば、探知されるのでは、と不安になる人は船長ばかりではない。船内に不安が広がれば、混乱状態になって大変なことになる。今は歩調を合わせろ、ケイン」

「…」

「ただし、いつまでも。何もせず、大人しくしていろって。言っているんじゃない」

「どう言うことだよ?」

「やがて俺たちが、ハデスを上回る強力な兵器を持てば、今の状況を打開できる。ワールドネットにだって、いくらでもアクセスして、知りたいことを調べられる」

「そんなこと、僕たちにできるわけないでしょ!機関銃も全く通じないキメラよりも、強力な兵器なんて…」

「俺はできると、信じている」

「…」

「今のお前に言っても無駄かと思うが。俺は、あのキメラを倒すことだけを考えている。」

「な、なんだって!?」

「奴は、表情や感情はないと、考えられているが。そんなことはない。俺はこの目で見た。当時、俺たちの町が破壊されたあの日。あいつは人の給付する顔を見て、明らかに笑っていた。人類を小馬鹿にして、侮辱する笑い方をしていた。」

「う、うそだろ…」

その言葉を聞いたケインは、恐怖で震えた。

「あの笑い方は本当に屈辱的だった。人類は舐められている。俺はあいつを許すつもりはない。俺は、あの日以来、奴を倒すことだけを考えてきた。」

「…」

「俺はこのまま、ずっと逃げ続けることは考えていない。そこは、メタ船長と違う」

「お前が言っていることは、どう見ても、現実的じゃないと思う」

シヴィは目つきが鋭くなった。

「確かに。でも俺は諦めない。生き残った人類、みんなを絶対に無事に地球に生還させる」

シヴィはそう言うと、ケインに背を向け、倉庫から立ち去る。

「…」

シヴィ、根拠のない強がりとしか、受け取れないよ。でも、心のどこかで、うっすらと、ほんのわずかだけ希望が湧いてくるのを感じる。

ケインはいつの間にか、涙が流れていた。

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